2009年8月27日木曜日

政策選択選挙だと言う話ですが

こんばんは。学生インターンの河野です。


ぼくは今回の実績・マニフェスト評価作業を通じて感じたことを書きたいと思います。

まず実績評価の作業について。
実施された政策をきちんと評価し、次の政策決定につなげたり、選挙の際の判断材料にするという「政策評価」の重要性が高まっているなかで、実際に政策形成を行っている官庁はもう少し意識を変える必要があるな、と感じました。
意識を変えるというのは、もっと見られる意識を持って資料の公開をする、という意味です。今回の評価作業のなかで実際に資料を集めようとすると、公開はされているものの、単位・基準などがそろっていないものが多々ありました。政策の変遷などを比較するときに単位・基準がそろってないと、非常に見にくいのです。これは単なるグチではありません。官僚の方たちには「自分たちだけで政形成プロセスがまわっているのではない」「評価されることも含めて政策形成過程なのだ」という意識を強くしてほしいのです。


第二に、マニフェストに関しては、国民に見られることを意識しているために非常に平易に書かれている一方、「なにも言っていないに等しい」という状況になってしまっているように思います。たしかに、そもそも読んでもらわなくては意味がないということは認めます。読んでもらえ、かつ体系的で、ある程度詳細なマニフェストをつくることは大変なことかもしれません。しかし期限・数値目標を設けることは最低限必要でしょう。まだまだ単なるスローガンがほとんどであり、国民に道筋を示せていないという点において、今回のマニフェストは全然だめだな、と感じました。



これまでは政治、官僚の姿勢について感じたことを書きましたが、少し有権者側についても。

これだけ「政策選択選挙」「マニフェスト型選挙」と言われている一方で、マニフェストがどれだけきちんと読まれているのかは疑問です。ニュースなどでは「民主党圧勝」「政権交代」という話が毎日のように流れていますが、それはマニフェストを読んで政策を判断したから、というよりは「流れ的に」なってしまってはいないでしょうか。
民主党も「とにかく政権交代だ」と言っていますが、政権交代はあくまで手段であって目的ではありません。こんな状況を見ると「政策選択選挙なんてムリなんじゃないか」と思ってしまったり。

でも、安易な絶望からはなにも生まれません。また、変化が起こっているのも事実です。かつては、政党が政策を掲げて政権交代を競うなんて状況は考えられなかったのですから。たしかに現在の状況は政策選択選挙と呼ぶには程遠い気がしますが、僕らはわずかでも確実に起きている変化をしっかりと視て、「有権者と政治をつなぐ」活動を地道に続けるしかないのでしょう。