2009年11月16日月曜日

北京―東京フォーラムin大連を終えて

こんにちは。インターンの角です。
遅くなってしまいましたが、今回のフォーラムに参加した感想を分科会と視察に参加した時の事を中心に書きたいと思います。

まずは分科会の感想から。
私は日中フォーラムに参加するのは今回が初めてで、分科会の様子などはこれまでの報告書などからしか知ることができませんでしたが、分科会に参加して(私はメディア分科会で中継をしていました)、こんなにも率直に意見を言い合うことができる場があるんだということ、また、そこに一般の人も参加できるチャンスがあるということに、感動といっては大げさかもしれませんが、かなり驚きました。
メディア分科会の後半では、日本側と中国側のパネリストやフロアの方々がお互いにかなり活発な意見交換をしていて、自分は「え、それって結構デリケートな質問じゃないの?」って思うことも、ストレートに質問している方もいました。でもよくよく考えてみると、疑問に思うことをぶつけるということは、普段の人間関係に置き換えてみてもわかるように、お互いを本当の意味で理解するのにはすごく必要なことです。ここで議論を交わしている方々は真剣に日中お互いのことを理解し合おうと思っている方々で、そういう人たちが集まって本音で議論できるこのフォーラムはすごく貴重な場なんだろうなと実感しました。
また、フロアから、全体会議の同時通訳をしていた方が手をあげて感想を述べる場面がありました。その方は同時通訳なのにかなり日本語がたどたどしかったのですが(普段は観光などの通訳をしているとのことでした)、必死にパネリストの方々に自分が議論を聞いていて感じたことを伝えようとしていて、またパネリストの方々もそれに耳を真剣に傾けていました。一般の人の思いががこんなにダイレクトに有識者の方に伝わる、そんな場は他にないんじゃないかと思いました。
そして、こういうこと実際に肌で感じられたことをすごく嬉しく思いました。貴重な経験だったと思います。


次に、視察に同行した感想を。
私は先に記事を書かれた楠本さん、石田さん、河野さんとは別行動で11月3日には視察に同行しました。大連ソフトウェアパークや、203高地、東鶏冠山に行きました。
大連ソフトウェアパークには、日本の企業が多く進出していて、しかも中小企業もかなり多いという説明をうけました。自分の中の勝手なイメージでは中国に進出しているのは大企業という感じだったので、少し驚きました。同時に、それだけもう現実のレベルでは日中の関係は進んでいるのだということを実感しました。そして、その割には日本人は中国に対してそこまでの親しみを感じていない、ということとのギャップを改めて考えさせらました。
203高地や東鶏冠山は日露戦争の傷跡がまさにそのまま残っていて、これはかなり自分にとっては結構衝撃でした。もちろん日露戦争があったことは知識として自分の中にあるはずなのに、見た時になんともいえない感じがしました。
それはもしかしたら自分の頭の中で「日本」と「戦争」というのが、実感する、というレベルではこれまで結びついてこなかったからかもしれません。広島で原爆ドームを見たこともあるし、長崎や沖縄に行った事もありますが、どちらかというと日本が被害者という立場で戦争のことを考える機会が多かったように思います。
今回の視察で見たのは日露戦争の跡ですが、日本も他国に攻撃をしたことがあるのだ、ということを頭で理解するのではなく、ちゃんと実感のレベルで理解したのは今回が初めてだったと思います。


今回のフォーラムでは普段は絶対に経験できないようなことばかり経験させてもらったので、これをちゃんと自分の糧にしていかないといけないな、と思います。

2009年11月13日金曜日

おもしろい商品を紹介するテストです。

どうもこんにちは。
学生ブログをbloggerするのに結構な時間をかけてしまったいがらしです。

このブログは多機能みたいで、いろいろとやってみたくなります。そしてこれからはこのブログで、学生のお勧め書籍を紹介するコーナーも設けようということになりました。言論NPOの学生インターンたちは非常に知識豊富で、素敵な本を紹介してくれるのではないかと思います。え・・?自分(いがらし)はあまり知的な本を読むとすぐ寝てしまうので、動物の写真集とか紹介しようと・・だめですか?いいですよね。そういう人がいたっていいですとも。


さて、今回紹介する書籍は、ロバート・B・チャルディーニ著「影響力の武器」です。

人間の本能的な部分に働きかけ、交渉において相手を自分のペースに乗せるのがセールスの極意である!その鍵となる「影響力」を今回はご教授いたしましょう!

と書くとどうも胡散臭いのですが、だいたいそんなかんじです。ただしこの本はあくまで消費者視点で書かれていて、「影響力を利用して交渉を展開してくる相手から、いかにして身を守るか」を教えてくれます。


例えば第三章で紹介されている「コミットメントと一貫性」は、

『ココアはやっぱり○○』 ←○○を答えて海外旅行へ行こう! ※例題です。

という、一見クイズとして成立していないクイズに何の意味があるのかを教えてくれます。


どうもセールストークに乗せられてものを買ってしまう、という方にはぜひともこの本を読んでもらいたいと思います。しかしハードカバーの高い本なので、図書館で借りるのが賢明かもしれません。


2009年11月9日月曜日

北京-東京フォーラムin大連に参加して

どうも、インターンの河野です。
大連の寒さをナメてコートを持って行かなかった結果、おおいに現地で後悔したのが懐かしいですw


 「北京-東京フォーラム」に参加したことでさまざまなことを感じましたが、「実際に政治家の言葉や中国側の発言」を聞いて、とりわけ、政治の言葉の「重さ」と外交においての民間からの動きの重要性について考えさせられました。


 政治・政治家について普段ぼくたちが感じているイメージは権力・カネ・不信・無力といったようにマイナスなものが多いと思います。選挙のときなんかも「どうせそう言ったら当選しやすいとでも思ってるんだろ」とさえ思うこともあります。僕もそんな感じで見ていました。
 しかし、全体会議での渡部恒三氏の発言をその場で実際に聞いて、その場の雰囲気を変える話し方という技術的なことから、渡辺氏が中国に対して友好的なメッセージを送ったというそれ自体まで、「これはすごい」と思いました。政治・政治家の言葉には重みがあり、それはなにかを変えることにつながる。そしてそれは、実際に聞くことで痛感できる。そう感じました。


 また、国内で「政府の限界」が叫ばれ市民の参加が重要となってきているのと同様に、安定的な国際関係において関係を改善していくためには市民の参加が重要だと感じました。政府間の対話ではともすれば国益や面子のぶつかりあいとなり議論が進まないことが多々あると思います。それに対し、民間の対話、とりわけ経済対話や地方対話は大いに協調できる可能性を持っています。直接的・即効的に政府間関係を改善させることにつながるとは限らないし、そんなことは少ないと思いますが、国民レベル、自治体レベル、企業レベルでの関係改善は徐々に政府間の関係改善につながっていくと思います。そして真の友好関係はそういった方法でしか構築されないでしょう。
 僕は分科会「安全保障対話」に参加したのですが、もっとも対立を生みやすいと思われる安全保障の分野においても、協力しようという動きが確実に生まれていると感じました。確かにガス田などの問題では激しい討論がなされたものの、安全保障の意味を大きくとって麻薬や人身売買、マネーロンダリングなどに対して協力して対策を講じることができるのではないかという内容が話し合わされました。このことの意味はとても大きいと思います。


と、いうことでまだまだ自分のなかで考え、まわりの人に伝えていかないといけないこともあると思いますが、今日のところはこの辺で。

2009年11月7日土曜日

北京ー東京フォーラム in 大連が終わって…

4日が経ちました。インターンのイシダです☆わたしが大連に滞在したのは4日間、フォーラムで議論が行なわれたのは実質2日間と短い期間だったのですが、中身が濃かったせいか、一週間くらい大連にいたような気がします。
フォーラムに参加してみて、はじめて中国に行って、いろいろ感じるところ、考えるところはあったのですが、今回はわたしが参加した分科会「地方対話」で考えたことと、インターンがフォーラム中何をしていたかを少し紹介したいと思います。これはわたしが個人的に思っていたことなのですが、インターンが具体的に何をするのか、何ができるのか、が言論NPOのサイトを見てもよくわからないので、インターンに応募といってもしづらいんじゃないか…と。(わたしはものぐさなので、インターン募集が気になりつつも、数ヶ月間放置していました。。汗)このブログを未来のインターン候補(?)が何人見てくれるのかはわかりませんが、少しでも参考になればと思います。

毎年フォーラムにあわせて日中世論調査が行なわれていますが、残念ながら5年経っても両国民の相手国イメージは改善していません。この結果は「地方対話」でも話題に上りました。これに対し、山田啓二京都府知事は、こうした「厳しい事態を打開する大きな原動力になるのがこの地方対話ではないか」と述べ、「地方は具体的、実体的な行政を担い、生活に肉薄した交流がある」と強調しておられました。
わたしなりに咀嚼すると、実際に生身で相手国の人や文化と交流してみない限り、一旦相手国に対し持ってしまったネガティブなイメージはなかなか消えないということではないか、と思います。むしろ、実際のふれあいがなくて、相手に対するイメージが抽象的・漠然としているからこそ、5年間で日中では政治的・経済的関係において様々な変化があったにもかかわらず、世論調査での相手国イメージは改善しないまま、固定的なままなのではないか。そして、鳩山首相が「東アジア共同体」構想を打ち出し、せっかく日中友好の機運が高まっているのだから、両国間でもっともっと具体的な、身近な交流を増やし、固定的な「中国」観、「日本」観とは違った相手国イメージを持てる場を増やしていこう、そのために地方行政という身近なレベルでの交流が有効だ。「地方対話」でひとつ大きな論点になったのは、こういうことだったんじゃないかと思います。
普段の生活でも、「話してみないとわからないもんだなー」と思うことってあるわけで、わたしはとても説得的な話だと思います。「東アジア共同体」がトップダウンで日中(アジア)の交流を深めていくことであれば、逆に地方からボトムアップで交流を深めていければ、相乗効果がうまれるのではないでしょうか。対韓国イメージの20年間の変遷を考えれば、対中国イメージが今後改善していくことも不可能ではないはずです。
と、いうのがわたしが議論を聞きながら考えたことの一部です。最後に少しインターンの活動の報告を。インターンの主な仕事は、会場で受付のお手伝いをすること、会議では隅の方で議論の速記をし、チャットで東京に送り、議論終了後は各会議の報告記事を書くことでした。記事はフォーラムの公式サイトに掲載されています。議論の速記は、東京の事務所にいるスタッフ・インターンがまとめて速報としてサイトにあげてくれたり、twitterで一部つぶやかれたようです。(中国ではtwitterにはアクセスできませんでした…ふ)
工藤さんが「パネリストも参加者もスタッフもインターンもボランティアもみんな参加しないとフォーラムは成功しないんだよ」というようなことを仰っていたのですが、こういう大きなフォーラムで、単なる学生でも、ひとりひとりに任されている「仕事」があって、「お手伝い」ではなく「一員」として働いている、と実感できることはなかなかないと思います。てんやわんやで大変なこともたくさんあるわけですが、なかなかできない経験ができたことと、「成功してよかった」という充実感は、苦労(?)と引き換えにしても余りあるものだと思います。(わたしは今回は自分が大変だと思うことは特になかったのですが。)
さてさて長くなってしまいましたが、今回はこんなところで。まだフォーラムが終わってから4日しか経っていないことだし、これからこの経験について、議論についてゆっくり考えたいと思います。それから、インターン募集の説明会に来てくれる人は、このブログを読んでいるかもしれないので、また機会があったら、インターンの活動についても書ければいいなと思います。(というか他のひとも書いてくれないかな。。)では☆写真は散歩に行った時に撮った大連銀行のモニュメント?です。スタバのタンブラーの大連バージョンでも使われていました。夜はキレイでしたよー

北京-東京フォーラムを終えて

 どうも、インターンのくすもとです。今回書くのは、先日大連にて行われた第5回北京ー東京フォーラムについてです。

 フォーラムにあたっては言論NPOのスタッフだけでなく、僕たち学生インターンからも数名が渡航して参加しました。学生の担当は主として議事録や記事の作成で、議場でパソコン開いてカタカタ、控え室に戻ってまたカタカタ・・・とやっておりました。正直、食事と睡眠が十分に取れるか心配だったのですが、思ったよりも大丈夫でしたね。少なくとも生存には全く支障ありませんでした(笑)

 さて、僕達は日中間の議論に直に接するという幸運な経験を出来たわけで、それに際して感じたことを少々書こうと思います。予定が狂って慌てたり、トラブルが発生したりと(今にして思えば)中々面白いエピソードもあるのですが、それはおいといて、と。

 僕個人としては、要約するならば、日中関係の可能性、広がり、難しさ・・・そうした諸々のことを改めて痛感した、というのが感想でしょうか。


 僕は全体会議に加えて、分科会の一つである「経済対話」に出席しました。ビジネスの世界ではWin-Winの関係を築ける部分が大いにありますし、そうしたものは民間ベースでこれからもどんどん進んでいくことでしょう。しかし、「アジア共通通貨」などというのは、普通に考えれば超長期の話で、それが何がしかの具体的な前進を見せることは想定しにくい。現状のアジアにおいて、EUのように一国内での金融政策の独立性を放棄することはどう考えても不可能です。

 ビジネスや経済の発想でいけば、常識的にはそうなるのですが、今回のフォーラムにはまた違った意味合いが付加されました。言うまでもなく、鳩山政権の「アジア共同体」構想です。

 もちろん、「構想」と言っても中身がないではないか、という批判は容易ですし、僕自身もそう思わないことはありません。ですが、今回のフォーラムでは、その「アジア共同体」への言及が、そこここに見られました。そして、具体的なレベルでの相違はともかくとして、日中で協力してより良いアジアを築く、というムードが強く見られたのも事実です。

 松本健一氏が仰っていたことですが、政治がこうした言葉を初めに打ち出すことの意味は小さくない。頭ではそんなものと思っていましたが、実際に議場に身をおいて、それがリアルに感じられました。そしてこの先は、「この分野では協力できるけど、こっちの分野では難しいね。」「まだ立場に差があるね」ということで対話を終わらせず、政治が打ち出した言葉をどう具現化していくのか、というより真摯な議論が必要になってくるのだと思います。そうした大構想について、どのような言葉で語るのかが、日本側にも問われてくる。そして、結局言葉を発するのは個人なのですから、それは僕達自身の問題だというわけです。

 重い課題ですが、アジア地域の重要性が今後減衰することは考えにくいわけで、どうあがいても問題になってくるのでしょう。貴重な示唆を得たと思います。

2009年8月31日月曜日

僕たちの未来

こんにちは、インターンのいがらしです。

最後の当確が出たのは4時半でした。
その議席を争った候補者の事務所の人たちは、きっとお疲れでしょうね。さて。

この日が来ることは分かっていましたし、308議席というのは新聞の予想するところとおよそ同じでした。しかし実際にこの結果を前にすると、どういう気持ちで首相指名を待てばいいのか分かりません。

あとは、民主党がまっとうな政治をやってくれることに期待するばかりです。工藤さんも言うように、どのようなマニフェストを立てようと、日本が抱える課題からは逃げられません。4年間消費税を上げないと言っても、財政の悪化は進行します。そのとき「出来なかったらごめんなさいと言えばいい」(党最高顧問の人でしたっけ?)では許されないわけですね。これから始まる4年間(?)に対する審判の結果が、また「100対300」のような野党の大逆転になるような政治は勘弁していただきたいと思います。


一方で、自民党には何を期待すればよいのでしょうか。
ある人と話をしながら選挙速報を見ていたのですが、その人は「自民党は重鎮ばかり当選して、お年寄りばっかりじゃないの?」と言いました。

そう・・なんでしょうね。ちゃんとした数字は出していませんが、平均年齢は確実に上がったはずです。小泉フィーバーでは若手議員が多数当選し、それが今回惨敗を喫したわけですから。
旧態の政治が批判される中で行われた選挙で、古い政治家ばかりが残ってしまった自民党。ひどい皮肉だと思います。古い政治はその全てが悪いわけでなくとも、自民党は古い政治の悪しき部分を十分に修正できていなかったと言えます。政権交代という国民の答えは、そこへの批判の意味が強く含まれるでしょう。それを正して次の選挙に挑むことが自民党の課題の一つだと思いますが、古い政治に執着してきた人ばかりが当選した中で、見直しはできるのでしょうか。


大人はこれからの政治に、子供は新学期の始まりに、それぞれ不安と期待を抱きながら8月を終えることでしょう(北海道・東北などはもう学校が始まっているんですっけ)。この選挙の結果を受け、各党が次の選挙までに磨きのかかった姿を見せてくれることを願います。

2009年8月30日日曜日

日本国の危機

こんばんは。学生インターンの赤羽です。

遂に選挙当日になりました。
ちなみに、私は今回の選挙が選挙権を得てから初めての投票の機会です。
もちろん投票に行きます!


さて、今回は主に実績評価のお手伝いをしました。そこで、気付いたことを書きたいと思います。
やはり今回の作業を通じて実感した大きなことは、日本国が危機的状況にあるということです。
すなわち、戦後から今までの60年間の日本が上り調子で成長してきたとすれば、今後60年間の日本が下り調子に衰退していくだろうということです。このままでは、国の根幹が崩れていってしまう気がします。

たとえば、第一に、国の根幹を担う"食"。最近は農業ブームがあり、メディアでも結構報道されていて注目が高まっています。しかし、農家の平均年齢は65歳以上が現実で、食料自給率云々を言う前に、そもそもの担い手が消えていく危機。そして、その担い手不足の解決を目指す姿勢すら感じられないのが今回の自民、民主のマニフェストであると思います。日本はお金があるから、他の国から買えばいいということを言っている人がおりますが、輸入先の国が今年は不作で国民を食わせていけないから輸出やめますって言ったら大ピンチになるのは目に見えています。そうしたら、昔教科書で習った米騒動に類似したことが現実に起こると思います。もともとエネルギーのない国が食料もなくなってしまうと想像すると、ぞっとします。


第二に、国の根幹の担う"人"。安心社会実現会議で「静かなる有事」と言われた少子化問題は、国の深刻な問題だと思います。単純に考えて、国の人口数が減少してしまうことは、政府にとっては税収が減るし、企業にとっては顧客数が減ってしまうわけですから、マイナスなことばかりだと思います。ここで現状を見ると、子どもを産みたい人は結構いるみたいです。しかし、私は社会で働いていないので実感がわきにくいのですが、産みたい人はいるけど産めないというのが現実のようです。近所に保育所がない、制度上有給休暇をとれるがそんな社風はない、出産後に社会復帰できないなど問題が山積みなのです。一刻も早くワークライフバランスの実現と子育て環境の整備をしなくてはなりません。

第三に、国の"お金事情"。小学生の頃に習った国の借金の額と今の額では明らかに違うと思います。悪化しているのが現実です。政策を実行するにはお金がかかりますが、そのお金が高度経済成長時代と異なり、増え続けることはなく、国民からの借金しか頼れなくなってしまった。こういった状態が続くといつしか国家破綻すると思います。ましてや社会保障費はこれからますます拡大していくわけですし。すべての問題の根幹はここにあると思います。国の借金をどう減らしていくか。これを解決するまでは、少なくとも改革の時代が続くと思います。

このように、日本の根幹を揺るがす危機が迫っています。
ですので、私たちは真剣に国のことを考え、政策を立案し、実行する政治家を選ばなくてはなりません。
その政治家と国民との約束がマニフェストであると思います。
そして、言論NPOのように、そのマニフェストを分析し、かみくだいて国民に説明する団体が増えるのは大変喜ばしいことだと思います。また、前回からの実績を評価することも、一つの参考になって良いと思います。

結局何が言いたかったというと、私たちの国が危機であること踏まえた上で、日本の政治の行方を真剣に考えて、今日の選挙で意思を示そうということです。そして、その際に、言論NPO等が力強いサポートをしてくれると思います。

2009年8月29日土曜日

若い世代と選挙

こんにちは。インターンの角です。

連日のように新聞、テレビで選挙のことが報じられていますね。人生で初めての議院選挙が(ちなみに人生初の選挙は都議選でした)日本の政治の大きな転換点になりそうな選挙ということで、自分の1票の重みが余計に感じられるだけに、誰に入れるか、比例はどこに入れるか、慎重に選ばなくてはいけないと感じています。

さて、今回のマニフェスト評価を通じて思ったことですが、マニフェストを読んで、実際にどこの政党がいい、と判断するには知識が必要だということです。
その「知識」というのを具体的に説明すると、1つ目として、今までどのような政策の流れがあって、現状がこうなっている、ということ。2つ目として、現状の問題解決のためには、何が必要なのか、ということ、です。
この2つについてある程度の知識がないと、マニフェストを読んで自分の頭で考えて判断するのは難しいと感じました。


そして、若い世代では、特に1つ目の、「今までの政策の流れとその結果である現状」について、生活の中で身をもって感じるということができていないため、余計にマニフェストを読んで判断するのが難しいように思います。
特に私くらいの若い世代は、5,6年前は中学生で、社会になんて出ていないわけですから、政治に全く関心がなければ「そういえば小泉さんが三位一体の改革とかよく言ってたな」くらいの知識しかないんじゃないでしょうか。

今回読んだ自民党と民主党のマニフェストを読んでも、今までこういう政策でやってきて、こういう現状が生まれてしまったから、こういう社会をつくるために、この分野ではこういうことを政策としてうちだすんだ、ということは見えにくかったように思います。
マニフェストは若い世代を含めた国民に読んでもらうものであるはずですから、特に今まで政権を担ってきた自民党には、そういったこともマニフェストに何らかの形できっちり書いてほしかったと思います。


最後にちょっとした呟きですが・・・現在私は就職活動をちょこちょこやっているのですが、仕事・結婚・出産などなど、自分の将来を考える中で、日本の将来がどうなるのか、社会がどう変化していくのか、漠然とした不安がありつつも、自分の将来に確実に影響を及ぼすであろう今回の選挙に、自分が20歳ギリギリで参加できることを嬉しく思います。

2009年8月27日木曜日

政策選択選挙だと言う話ですが

こんばんは。学生インターンの河野です。


ぼくは今回の実績・マニフェスト評価作業を通じて感じたことを書きたいと思います。

まず実績評価の作業について。
実施された政策をきちんと評価し、次の政策決定につなげたり、選挙の際の判断材料にするという「政策評価」の重要性が高まっているなかで、実際に政策形成を行っている官庁はもう少し意識を変える必要があるな、と感じました。
意識を変えるというのは、もっと見られる意識を持って資料の公開をする、という意味です。今回の評価作業のなかで実際に資料を集めようとすると、公開はされているものの、単位・基準などがそろっていないものが多々ありました。政策の変遷などを比較するときに単位・基準がそろってないと、非常に見にくいのです。これは単なるグチではありません。官僚の方たちには「自分たちだけで政形成プロセスがまわっているのではない」「評価されることも含めて政策形成過程なのだ」という意識を強くしてほしいのです。


第二に、マニフェストに関しては、国民に見られることを意識しているために非常に平易に書かれている一方、「なにも言っていないに等しい」という状況になってしまっているように思います。たしかに、そもそも読んでもらわなくては意味がないということは認めます。読んでもらえ、かつ体系的で、ある程度詳細なマニフェストをつくることは大変なことかもしれません。しかし期限・数値目標を設けることは最低限必要でしょう。まだまだ単なるスローガンがほとんどであり、国民に道筋を示せていないという点において、今回のマニフェストは全然だめだな、と感じました。



これまでは政治、官僚の姿勢について感じたことを書きましたが、少し有権者側についても。

これだけ「政策選択選挙」「マニフェスト型選挙」と言われている一方で、マニフェストがどれだけきちんと読まれているのかは疑問です。ニュースなどでは「民主党圧勝」「政権交代」という話が毎日のように流れていますが、それはマニフェストを読んで政策を判断したから、というよりは「流れ的に」なってしまってはいないでしょうか。
民主党も「とにかく政権交代だ」と言っていますが、政権交代はあくまで手段であって目的ではありません。こんな状況を見ると「政策選択選挙なんてムリなんじゃないか」と思ってしまったり。

でも、安易な絶望からはなにも生まれません。また、変化が起こっているのも事実です。かつては、政党が政策を掲げて政権交代を競うなんて状況は考えられなかったのですから。たしかに現在の状況は政策選択選挙と呼ぶには程遠い気がしますが、僕らはわずかでも確実に起きている変化をしっかりと視て、「有権者と政治をつなぐ」活動を地道に続けるしかないのでしょう。

あと3日

みなさんこんにちは。インターンの石田です。

あと3日で投票日ですね。
日本の政党やマニフェストについての思いは安達くんや楠本くんが書いてくれたので、わたしは今回の選挙のマニフェスト評価を通じて感じたことを書こうと思います。


今回実際にマニフェストを読み、評価してわかったことは、マニフェストそのものを読みこなすのはとても難しいということでした。自分が評価を担当する分野については、専門家のお話を聞いたり、資料を集めたりすることで、何が問われていて、それに対してマニフェストはどう答えているのか(いないのか)がわかりました。でも、百個以上あるマニフェストの項目全てに対してそれだけの勉強をすることは、とてもじゃないけどできません。やっぱりマニフェストの「解説」が必要だと思いました。


前回2005年総選挙のキーワードは「郵政民営化」でしたが、今回は「政権交替」だと言われています。そのせいか、今回の選挙は今までで一番マニフェストに関心が集まっているように思います(マニフェスト自体の質はともかくとして)。

新聞では、日替わりで分野ごとに各党マニフェストの比較が行なわれたり、言論NPOも参加したマニフェスト評価大会も紙面で大きく取り上げられたりと、4年前よりもずっとマニフェストに対する認知度と情報量が増え、「解説」も充実してきています。

今回の選挙でもいろいろ課題はあるけれど、マニフェストを投票の判断材料にできる環境が整ってきたことは、今回の選挙で前進したことの1つではないでしょうか。


「日本を考える夏にしてください」と麻生総理が言っていましたが、わたしもあと3日間自分の一票を誰に、どの党に入れようかじっくり考えたいと思います。


ちなみにわたしは法学部生なのですが。。最高裁判所裁判官国民審査も衆議院総選挙と同日です。

今まで国民審査で罷免された裁判官は一人もおらず、審査が必要なのかとの声もあるくらい、国民審査は存在感の薄い制度のようです。国民にとって最高裁は全然身近じゃないこともあって、誰を信任・不信任にするかの判断は難しいだろうなと思います。
アメリカには法律家の団体が審査の対象となる裁判官の評価をしている州もあるらしく、日本でも同じようなことが行なわれれば、もう少し国民審査が身近なものになるかもしれません。
マニフェスト評価のような試みを考えてみることは、これからの日本の法律家の課題なのかもしれません。

(※アメリカは連邦と州に裁判所が分かれており、連邦裁判所の裁判官は上院による承認を受けて大統領が指名します。州裁判所の裁判官は州によって任命方法が異なり、選挙で任命する州もあります。)

2009年8月26日水曜日

No Free Lunch

こんにちは、学生インターンのくすもとです。

いよいよ総選挙の投開票日が近づいてきました。といっても、民主党圧勝がほぼ確定したかのような報道がなされておりますが・・・。

思えば、90年代になされた一連の政治改革は、二大政党による、(派閥ではなく)党主導の政治を意図して行われたものでした。実際、ここ数年国会は自民党と民主党を中心に動いてきたわけですが、今回本当に政権交代が起こるとしたら、その瞬間は日本政治史の重要な一コマとして歴史に刻まれるのだなあ、などとしみじみ思います。が、そんな感慨に浸っているばかりにもいきませんよね。

さて、今現在の日本において、何が政策的な課題であり、そのための処方箋は何なのでしょうか。とてつもなく巨大で難解な問いであり、しかも解は一つではありません(個々の価値観などに依拠する部分ありますからね)。しかし真剣に検討すれば、耳ざわりの良いことばかりではなく、厳しい内容も大いに含まれることになるでしょう。

大規模な制度改革を行おうと思えば、ある集団は利益を得る一方で、痛みを蒙る人たちも生まれます。また、政策によってはカネが必要です。打出の小槌でもって経費を賄えない以上(そんなことしても貨幣の信認が落ちてインフレになるでしょうが)、現在もしくは将来の国民に負担してもらうしかありません。

何が言いたいかというと、物事の大半にはトレードオフがあるだろう、ということです。あちらが立てばこちらは立たず、であって、うまい話はそうはありません。そのようなトレードオフの関係にある複数の選択肢の中から、個々の有権者にとって望ましいものを選び取るのが選挙における選択です。

政治家は、本来そうしたことを語るべきなのだと思います。政策的な変革の担い手になり得るのは、最終的には民主的正統性を持つ政治セクターであるからです。反発を食らうかもしれませんが、根拠を明確して、練り上げた言葉で反論・説得をする、また「痛み」に対しても配慮を示す、そのようにして堂々と議論が行われるべきです。

しかし、現状はそれからは遠い。ムダづかい削減や官僚支配打破のような、ウケの良いことは前面に出し、一方で耳の痛いことは言えないから曖昧な表現に終始する。両党ともそのような雰囲気を漂わせています。

こうした状況をマシなものにするには、我々有権者がポピュリズム的な安易な方向に惑わされないことが必要です。ただ、偉そうなことを言う前に、政策に関する思考・判断・議論を行うための知的な基盤を自らが築かなくては話にならんなと、今回の評価作業を通じて改めて感じたのでありました。

人生初の投票!しかし…

こんにちは。
学生インターンの安達です。

選挙に向けた評価作業に追われて多忙だったこともあって、
久々の投稿です。

さて、いきなりですが、僕は今回人生初の「投票」を行うことになります!
幼い頃から大人が投票している姿を見て、
「俺も投票してみたいなあ」なんて思っていたものでした。

しかし!いざ有権者になって投票する立場になってみると、
どこに投票すればいいのか困っています。

投票したくても、
「この政党がいい!」という思いが抱けず、
正直どの政党にも投票できません…
(これって僕だけでしょうか??)


自民党のマニフェストを読んでみると、
スローガン(?)的なものが多く、具体的にどんな政策を打つんだろう?と疑問に思いました。

一方、民主党のマニフェストを読んでみると、
確かに財源がたくさん書いてあるけど、どこからそんな金が出てくるのか?と感じました。

(他の政党も同じような感想ですので割愛させていただきます)

それに、言論NPOの評価結果を見ると、やはり点数が低いという結果となっています。

今のマニフェストを検証する限りでは、
全然投票したい政党がないという状況…


これらを考えると、投票以外にも、有権者は何かしらの行動をする必要があるのかなあと思います。
(明らかに投票だけで問題が解決するとは思えませんので)

例えば、政治を変える活動に積極的に参加してみるとか。
(その一つが言論NPOなのかなあと思うのですが)


そんなことを考えながら、僕は30日に投票に行きます。

…各政党に「マニフェストもう一回書き直していただけませんか」って頼みに行こうかなあ…

2009年7月12日日曜日

アンケート実施

みなさまこんにちは。インターンの石田です。

事後報告で申し訳ないのですが、7月1日から9日まで言論NPOが主催した「自民党×民主党政策公開討論会」にあわせ、言論NPO学生インターンは、―政治は若い世代に向き合っているのかーと題して東京大学の学生100人にアンケートを実施し、討論会初日に集計結果を公開しました。

アンケートをとった100人の東大生のうち8割が将来に不安を感じ、
日本の国際的地位の低下・財政破綻・雇用に対して最も強く不安を感じているという結果でした。
次の選挙の投票に行くと答えた人は9割、マニフェストを読むと答えた人は6割でした。
その他の項目の集計結果についても、言論NPOのホームページでアップされています。

このアンケート結果を踏まえて、討論会初日に出席した3人の政治家に対し「夢を描けない若者に対してどのような未来を約束するのか」という質問を投げかけました。質疑応答の模様は言論NPOのホームページ内に動画でアップされています。

2009年6月13日土曜日

動くこと、考えること

こんにちは、インターンとして参加して間もない楠本です。
始めてから2週間にもなりませんが、その間に感じたことについて適当に書きます。


唐突ですが、少なくとも一定数の人には、社会に対して何がしかの問題意識を持つ、ということがしばしばあると思います。
僕の場合だったら、日本において政策に関する真っ当な議論・報道・説明が少ないこと、その一方で政局絡みのワイドショー的報道が多すぎること、世論(せろん)があまりにも簡単に特定の方向になびくこと、等々に対して「これはヤバイだろう」と随分前から思っていました。で、ニュースや新聞を見ながら文句垂れる訳です。「国会議員でありながらその程度の議論しかできんのか」とか、「下らんゴシップなんざよりきちんと制度の解説しろ」とか。
そんな時期が長かったのですが、最近になって、いつまでも外野からブーブ言ってるだけではイカン、そろそろ何かせねば、と思い立って、言論NPOに参加してみることにしたのです。


その中で、一つ思ったこと。それは、「行動することの難しさ」です。

上に、僕の昔からの不満を書きました。それと、言論のミッションとの間に共通するものを感じたから、ここにいるのです。しかし、僕自身が一体何を問題だと思い、どのような社会を理想だと思うのか、その突き詰め方がまだまだ甘いことを痛感しています。「強い民主主義」は良いキャッチフレーズですが、それを借用して満足してはならないし、もっと自分が語るべき言葉を探る必要があります。「何のために」がなければ、「何を為すべきか」の答は導かれないからです。

一方で、こうも感じます。沈思黙考のみでは、何も探し当てることができず、したがって何の行動も起こせずに終わってしまうのではないか。まず行動してみて、そこから自らの理想が何であるかを考えていけば良いのではないか、と。

ここに上に書いた「難しさ」があります。結局のところ、動きつつ、考えていくしかないのでしょう。えらく当然の事を書いてる気もしますが。

言論NPOでは、そうやって「動きつつ考える」ことが出来るし、またそれが求められるのだと思っています。そしてここは、僕のようにぼんやりと「何かをしたい」と考えている(けど一人ではどうすれば良いのか分からない)人間を受け止めてくれる「器」「受け皿」なのだなあ、としみじみ考えるのであります。

2009年6月7日日曜日

政治のことば と 政治とことば

みなさん こんにちは。そしてはじめまして。
インターンの石田です。
最近はブログもで色んなことができるんですねー。
ビックリです。でも絵文字はなんとなく自粛しておきました。。v

それはともかくとして、今言論NPOは、間近に迫った政権選択選挙をにらみながら、
現政権下での政治の評価作業を進めています。
評価は、経済、社会保障、外交、環境…と複数の分野ごとに行ないます。
そしてそれぞれの分野に担当インターンがいて、評価活動にも参加しています。

というわけで、雇用担当のわたしは、
日々厚労省や国会図書館のHPに出かけて行って、資料や議事録を読み、
年末の派遣村のように仕事も家も失ってしまった人たちがいる一方で、
介護現場のように、過酷で慢性的に人不足に陥っている現場がある、
そんな問題山積の現状に、政治はどんな答えを出そうとしたのか
(あるいは出していないのか)チェックしようとしています。

そこで考えるのは、政治の語る「ことば」についてです。
一体どれくらいの政治家が、国民に向かって「ことば」を発しているのでしょうか。
用意された書類をそのまま読んだり、簡単に発言を撤回したり、
半世紀も前のおじいさんとの思い出を語ったり、
おじいさんのスローガンを党首選でかかげてみたり(単なるノスタルジーなんじゃ…)
わたしには、今の政治家から、今の国民に向かった「ことば」が発せられているようにはあまり思えません。

政治が「くに」に起こった問題を解決するためのものだとするならば、
政治がどういう議論をして、どういう選択をして、
どういう解決策を取るに到ったのか、国民に対してきちんと説明するのが本筋です。
そして国民に語るならば、その「ことば」は、
半世紀も前に使い古されたひなびた「ことば」ではなくて、
シンプルでも、将来に希望が持てるような「ことば」であってほしいと思います。

2009年4月2日木曜日

NPO研究会報告

はじめまして、インターンの角です。

今回の投稿では、昨日4月1日に学術総合センターで行われたNPO研究会の報告をさせて頂きます。

ちゃんとした議論のサマリーは言論NPOのホームページ本体の方で近日中にアップされると思うので、ここでは、報告というより、私の感想中心で書きたいと思います。


昨日の研究会というのは、非営利組織の評価基準検討会のキックオフだったそうで、まず、田中先生の方からこれまでにどのようなデータ分析が行われてきて、どのような結果が出たのかについて説明があり、その上でこれから検討会で何をしていきたいかという案が出されました。その後に研究会のメンバーの方々の方から質問や意見があり、最後は、望ましいNPO,NGOのモデル基準をつくっていこうということで合意となりました。


最初は評価基準をつくる、ということで話が進められていたのですが、非営利組織といっても様々な分野の非営利組織があるわけで、それら全てに共通する評価基準を作ろうとすると、評価基準はものすごく薄いものになってしまう。逆にあまりにきっちりした評価ということになると、これがいい、とか、これが悪い、といったように、価値観が入ってしまい、それもよくない。どちらにしても、評価基準をつくるとなると、問題が出てくるという話になり、私も、難しいな、と思いながら議事録をとっていました。
「評価する」ということには、価値判断が入らざるを得ない。こういうことはあまり日常では考えることがないので、考えるいい機会になりました。
結局この問題は、既に書いたように、評価基準ではなく、モデル基準をつくる、ということで落ち着きました。

最初2時間の予定だったのが2時間半に延びるくらい、会議の中では色んな話が出てきて、興味深いなと思うことが他にもあったのですが、全部書くと長くなりそうなのでとりあえず今回はこの話についてだけで。

昨日が検討会キックオフだったこともあって、まだモデル基準の具体的なところまで踏み込んだ話には入らなかったので、これから先、基準を作る中でどんな問題が持ち上がって、それをどうしていくのか、メンバーの方々が色んな視点から意見を出されて、どう研究会を進めていかれるのか、気になります。

こういう研究会の会議に同行させてもらうと、色々なことを考えるきっかけを与えられるので、同行してよかった、と思いました。
非営利セクターについては知識がほんとに少ないので、これをきっかけにもう少し勉強しようと思います。

2009年3月19日木曜日

東京-北京フォーラム開催に向けて

皆さま、初めまして。
2月からインターンを始めた赤羽です。
これが初投稿です。

今日は「東京-北京フォーラム開催」に向けての会議に同行してきました。

新人の自分にとって何から何まで初めての今会議。

今回の自分の仕事は、今までテレビや本でしかお目にかかることのできなかった
社会の前線で活躍中の方々を席までご案内することでした。
とりあえずかなり緊張したっていうのが素直な感想です。

会議ではまず現状報告があって、次にそれに対して
参加者から意見を募ったり、話し合いをしたりと熱い時間を過ごしました。
自分はメモをとる程度のことしかしていませんでしたが、
参加者の方々の真剣な思いを肌で感じ、
これからますます準備のスピードアップをしていくと思われる
「東京-北京フォーラム」の重要性がわかってきました。

私事ですが、昨日大学の合宿地の沖縄から羽田に22時過ぎに着いて
ギリギリ終電で地元まで帰れての今日だったのですが、参加できて良かったです。

社会に対して本気で挑戦する言論NPOで、
自分もその一員として挑戦し、社会を少しでも
良くすることができたらと思います。

2009年3月1日日曜日

学生企画10

あ、どうも。インターンのいがらしです。
前のほうに書いているひとたちほどしっかり勉強していませんが、少子高齢化をテーマに書いてみます。


事務所でいろいろな作業をしていると、この分野については「想像以上に」建設的な議論がなされているように思います。出生率を上げるために「一人っ子政策」の逆をやるのではなく、子供を持ちたいという要望に応えられるような環境整備を急ぐということらしいですね。

「お金がないから子供を持てない」 →雇用対策をしよう!
「仕事と両立できないから・・」 →いろいろな働き方を経団連に提言だ!
「保育所が足りないから・・」 →要件を緩和して、地域の実情に即した保育施設を認めよう!

そうしないと、●●年には手遅れになるから。現役世代と退職世代のバランスが崩れて、医療や年金が・・って。




「出生率が上がった!これで医療と年金の制度が廻しやすくなるぞ!」

十年後、結果が出た暁にはこう仰るおつもりで?


未来世代は、現在世代を支えるために生まれてくるわけではありませんよね。僕が親から「お前は俺を養うために生まれてきたんだ」と言われたら、顔もみたくないと思いそうです。ただでさえ発展の代償として前の世代が遺していく、地球規模の「ツケ」に取り組まなければいけないのに。ああなんでこんな時代に生まれてきたんだろう。なーんて。

それより深い絶望感を背負って、未来世代は生きていくことになるんですね。生まれてきても不幸にしかならないから、子供は生まなくていいです。そんな展開にはなり得ませんから、政府の方針に間違いはありません。しかし彼らに期待するのであれば、少しでも彼らの絶望感を取り除けるような未来に向かわなければいけない。引き継ぐ課題は少しでも軽くしておくべき。すなわち、未来世代の利益を現在の利益衡量に織り込むべきで、それは政治全体の話になりますね。

長期視点が見られないどころか、目の前の課題すら「選挙」「選挙」で解決できない政治。
頼むよ。未来世代が暴動起こすぞ。

マンガの読みすぎで、「ほろ酔い会見」もフィクションだと思ってしまういがらしでした。

え?現実?またまたご冗談を。
世界2位の経済大国の経済担当がそんなこと、ねぇ?

2009年2月24日火曜日

学生企画9

こんにちは、インターンの山中です。

11月10日、麻生首相は学生との居酒屋での懇談について問われ、メニューに関して「ホッケの煮付けとかそんなんでしたよ」と答えたそうです。

しかし毎日新聞によると、その居酒屋はホッケの煮付けを出していないみたいです。僕たちの経験からでも、ホッケは干物で食べるのが一般的でしょう。しかしそもそも、ホッケとはどのような食べものなのでしょうか。首相の感覚はそこまで庶民離れしたものだったのでしょうか。

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ホッケはカサゴ目アイナメ科ホッケ亜科に分類される魚であり、日本で三番目に漁獲高の多い魚となっています(農水省統計、平成20年12月)。産地もやはりイメージ通り、北海道がもっとも多いみたいです。僕もみなさんと同様、ホッケと聞くと北の荒波が心に映ります。

北海道…。
そこでは冬の厳しさが与えてくれた、忘れられない思い出が、今でも僕の胸を締め付けます。

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ソーニャと出会ったのは、19歳になったばかりの、大学1年の冬。初めての札幌にかじかむ僕は、ターミナル前の綺麗な紀伊国屋で、三浦綾子を片手に文字を流し見していました。

「私も好きよ、それ」
しっとりと透き通った声に、ゆっくりと僕は振り向きました。すらっと整った肢体。雪のような肌。そしてそのはっきりとした大きな目が、僕に大切なことを語りかけてるみたいでした。

いつも昼になると僕たちは、どちらからともなく街を歩き始めました。ポプラ並木の積雪がまぶしい中、彼女がぽつりぽつりとこぼす言葉を、僕は丁寧に心にしまっていきました。世界中の大切なことは、全部彼女が纏っているような気がしました。

しかし幸福な日々はそう長くは続きません。ソーニャの帰る日は、突然にやってきました。名前があるかどうかもわからない港で、ソーニャはそっとお別れを言いました。「また会えるかな」と聞くことも、全然意味のないように思われました。

あれから四年、その後、お変わりないでしょうか。僕は、東京で頑張っています。

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スーツがくたびれる、日本橋のさくら水産。気がつくとホッケの干物が、涙で元にもどされていました。

2009年2月19日木曜日

学生企画8

こんにちは!
学生インターンの安達です♪

学校の試験が終わったので、前回のいけださんに引き続き、学生企画を再開したいと思います!

僕は「地方」をテーマとして今回投稿します。
主に、2008年12月9日に決定された地方分権改革推進委員会の第2次勧告を読んで、自分なりに考えたことを書いてみたいと思います。
正直言って、内容がなかり難しかったのです涙
まだまだ地方に関する知識・勉強が不足しているので、その点はご了承ください。

地方分権についても、もっと勉強してみようと思います。

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地方分権改革推進委員会が決定した第2次勧告に関して内容を確認していきます。

2008年12月9日(読売新聞から一部引用)
政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)は8日、国の出先機関の統廃合を柱とする第2次勧告を決定し、麻生首相に提出した。

第2次勧告の大きな柱は、「義務付け・格付けの見直し」、「国の出先機関の見直し」の2点です。
前者、すなわち義務付け・格付けの見直しに関しては、僕が読んだ限りでは、特に大きな問題はそれほど多くなかったように思います。
やはり、問題があるのは後者、つまり国の出先機関の見直しの方なのではないかと考えられます。

出先機関に関する主な骨子は以下の通りです。

2008年12月9日(読売新聞から一部引用)
①国の出先機関の約400の事務・権限のうち、116事項は地方へ移譲するなどの見直しが必要
②検討対象は8府省15系統の出先機関。6機関を統廃合し「地方振興局」と「地方工務局」を創設、2機関を統廃合し「ブロック機関」を創設、1機関を廃止、6機関を事実上存続

まず、①に関して、国の出先機関の事務・権限に関して、400事項のうち116事項を地方へ移譲するというのは、明らかに少なすぎるように感じます。

「個別出先機関の事務・権限の見直し事項一覧表」を細かく見てみると、「地方に移譲できるのではないか」と考えられるようなものがいくつかあります。

例えば、ダムや道路に関する事務・権限。僕の個人的な意見ですが、ダムや道路は地方・地域によって必要かどうか千差万別だと思うので、各市民のニーズに合わせて地方が主体となって管理すべきものなのではないかと思います。

あと、「見直し内容」の欄を見ていると、「国の役割を~全国的視点に立った先端的、モデル的なものに限定する」という表記がたびたび出てきますが、具体的にどのように国の役割を限定していくのか正直言ってよくわかりません。



次に②に関して、統廃合を行うことは重要ですが、統廃合を行っても、事実上もとの出先機関が行っていた仕事を新たな機関がそのまま行うような状態になってしまうのは意味がないと思います。

つまり、「地方振興局」と「地方工務局」が、統廃合する前の6機関の仕事をそのまま引き継いで行うことは、「~局」という名前が変わっただけで中身は変化していないということになります。

アウトプットとしては、名前ではなく中身である仕事内容がどのように変わったのかが焦点になると考えられます。

上記で述べたように、地方への移譲が少ないので、仕事内容がそれほど変化しないという可能性も否定できません。

また、存続させる6機関に関しても、地方にも可能だろうと思われる事務がいくらかあるように思います(あまりここでは詳細は言いませんが)。


以上をまとめると・・・

「国の出先機関の事務・権限の中で地方へ移譲するものをもっとできるだけ増やすこと」
「地方への事務・権限移譲に照らし合わせて、仕事内容を変化させるように出先機関を統廃合すること」

・・・が必要であり、大きな課題なのではないかと思います。

2009年2月14日土曜日

学生企画7

こんにちは!インターンのいけだです。テストが終わりました・・。別の意味で終わっていないことを祈るばかりです。
ものすごーーく間が空いてしまいましたが、長瀧さん(http://genronnpo.blogspot.com/2009/01/6.html)の後を受ける形で、【学生企画】第7弾を投稿します!

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麻生首相の「郵政民営化に賛成じゃなかった」発言から始まった混乱が、深刻さを増しています。
発言の不用意さやその裏のオモワクはこの際置いておくとしても、麻生首相の議論をどう捉えたらいいの?という点を自分の中でも整理したく、今回のテーマに選びました。
お暇でしたらご覧ください。

1.麻生首相は何を言ったのか?

2009.2.5 (衆院予算委員会)
「小泉(純一郎)首相のもとで私は郵政民営化に賛成じゃなかった。私が反対と分かってたので、(総務相の担当職務から)郵政民営化担当は外された」
「四つに分断した形が本当に効率がいいのか。もう一回見直すべき時に来ているのではないか」

2009.2.5 (記者団に対し)
「(見直し)内容に私がこうしろああしろと言う立場にない」

2009.2.9(衆院予算委員会)
「(民営化反対だったのは03年の総務大臣就任時。その後の在任中の)2年かけて勉強し、最終的に賛成した」
「05年に議論をし尽くした結果に従って推進する。私は国営に戻すなんて1回も言ってない」
「05年衆院選で民意を問うたのは郵政の民営化であって、4分社化は問うていない」

2009.2.10 (記者団に対し)
「法律的には(4分社化は)入っている。だけど、多くの国民の中で4分社化、3分社化、2分社化というのを知っていた方はほとんどいないと思う」

2.つまり・・

5日の国会答弁で、(1)郵政民営化 に05年の郵政選挙時から反対だったともとれる発言を行い、民営化構想の根幹である(2)日本郵政グループの4分社化 の見直しの可能性にも言及。「選挙当時の閣僚が反対だった!?」との批判に対して(1)については発言を修正。(2)については早急な「見直し」は否定するも、選挙で民意を問うた点とは認めず距離を置く。

ということでしょうか。こうなると、(2)が気になってきます。

3.ところで、4分社化って何なのか。


郵政公社の4機能(窓口サービス・郵便・郵便貯金・簡易保険)を、株式会社として独立させること。

4.本当に選挙では問わなかったの?


2005年の自民党・選挙公約が筆頭に挙げるのは、「 参議院において否決された民営化関連6法案を次期国会で成立させる。」 こと。
この法案に4分社化が含まれていることは、麻生首相も認める通りです。

だがそれは形式の話、実質的に国民は4分社化など詳しく知らず、「民営化」に賛成票を投じた。だから4分社化に疑問を呈することは、05年の選挙で自民党を大勝させた国民への背信行為には当たらない、というのが麻生首相の論法のようです。

あんまりじゃないでしょうか。

2004年9月の閣議決定「郵政民営化の基本方針」(http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2004/0910yusei.html)を見れば、「郵政民営化」構想の肝が、4分社化にあることは明らかです。
民営化による国民の利益を実現するにあたり重要なのが「4機能が、民営化を通じてそれぞれの市場に吸収統合され、市場原理の下で自立すること」。そのために組織形態を根本的に改変し、「4機能をそれぞれ株式会社として独立させ」るという所までが、民営化の骨子とされているのですから・・
選挙後も、この「肝」は基本的に保たれてきました。言論NPOの「マニフェスト評価」では、選挙後に可決された修正法案を「4事業分離案は、少なくともスタート時に維持された」との理由で高く評価しています。

確かに、05年選挙時にこの構想を理解していた国民は少ないでしょう。その責任は政治側だけに押し付けられるものでもない、とも思います。
しかし、それが「4分社化に対して党として責任を持たなくてよい」理由になるのですか?民営化構想の根幹部を、よく国民に理解してもらえなかった不手際・あるいは不誠実に対する反省にはなりえても・・ましてや、麻生首相は「基本方針」決定時および選挙時の閣僚です。

小泉元首相が動き出し、郵政政局第2ラウンドか、という今の状況を決してよいとは思いません。ただ、この発言は、「口が滑った」「言葉尻を捉えて叩かなくても・・」でお茶を濁せる話ではないと感じています。

2009年2月10日火曜日

【学生ディスカッション⑤】早稲田大学

※企画詳細については1月31日の投稿『【新企画!】学生ディスカッション』をご覧ください。

学生ディスカッション第5弾は、早稲田大学からお送りします!
政治経済学部で学ぶ2年生3人による、議論の概要をお届けします。

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1.政治という「公」に対する距離感

・日本社会では、私と公が分離しつつある。人々の興味の方向も二分化。政治を評価する視点もズレてきており、一枚岩とはなりにくいのでは。(Bさん)
・ホームタウンのため、目の前で困っている人といった形での直接的な社会参加。中央の政策について考える、声を上げるといった「政治」参加。両者が繋がらない。(Aさん)まずは足元の前者からでは?(Aさん、Bさん)

2.動けない市民。その責任は複数に

・有権者は受け身になりがち。社会的な事柄を自分に関連付ける力、政治に主体的に関与する力が日本の有権者には弱いのでは?(Aさん、Cさん)
・そうした雰囲気の醸成には政治も責任がある。情報発信は十分だろうか。市民に負担を求める際、誠実に自分の懐をさらしているだろうか。(Aさん)
・マスコミは論点を示せず。視聴率獲得や政治家との付き合いを優先しているせいだ。(Aさん、Cさん)

3.「あるべき社会」に向けたヴィジョンがほしい

・紙切れ一枚で労働者が首を切られる。経済原理が優先する社会は何かおかしい。(Aさん、Bさん)
・成長を求める時代は終わった。全体の底上げ、安心、幸福感が大事では。(Aさん、Bさん、Cさん)
・今の日本社会は、荒波に翻弄される小舟のよう。進行方向を示してかじ取りに当たるのが政治のはずだが・・(Aさん)

(了)

2009年2月6日金曜日

【学生ディスカッション④】中央大学

※企画詳細については以前の投稿『【新企画!】学生ディスカッション』をご覧ください。

「学生ディスカッション」第四弾は、中央大学からお届けします。
以下のような方向性が、議論の結果、出てきました。

***************
1、ショー化する報道
絵やストーリーになるかどうかで報道が方向付けられてしまっている。本来一番
大事であるはずの、社会がどう変わるかといった視点が、優先されているとは思
えない。なぜ、漢字の読み違えや、首相個人が給付金を受け取るか否かがあそこ
までフォーカスされるのか疑問。

2、まず結論ありきの報道
・麻生批判は一方向すぎ。「何」が「なぜ」問題なのかを指摘して、「代案」を構
築していくという健全な批判ではない。批判のためのネタ探しをしているとさえ
感じられる。官僚批判にも同じ傾向が感じられる。
・オバマ礼賛と麻生批判の落差に違和感を覚える。オバマに悪い面・麻生にいい面
はあるはずだ。正しい評価を行うというジャーナリズム本来の機能が死んでしま
っている。

3、無責任の時代
・「社会や国家・世界のため」に何かをするということが、全く魅力を失ってしま
っている。このままいくと、日本のことを考えて行動する人物はいなくなってし
まうのではないか。大変に心配である。
・政治家も官僚もマスコミも、そして有権者も己の狭い利害得失に囚われているよ
うに感じる。自らの社会的責任に対して無関心だ。「無責任の時代」と嘆く
しかないのか。

【学生ディスカッション③】東京大学駒場キャンパス(2回目)

※企画詳細については以前の投稿『【新企画!】学生ディスカッション』をご覧ください。

「学生ディスカッション」第三弾は、再び東京大学駒場キャンパスからお届けします。
法学部進学予定の2年生5人(Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん)が日本の政治がどうあるべきかについて議論しました。
以下は議論の要旨です。

***************
1.市民と政治の関係

・今の日本では、政治と国民がまるで対立するもののような感じがある。(Aさん)しかし、立憲主義というのは、国民が自律するために憲法をつくったということであるのだから、政府と国民は対立するものではない。(Bさん)
・有権者は変わるべきだと思うが実際そこまで求めてしまって大丈夫なのだろうか。(Cさん)
法律や政治は専門家に任せられているのが現状で、また個人のインセンティブは異なるのに皆が政治に興味を持てというのは押し付けのような要素があるのでは。(Dさん)
・こういった議論を重ねていくことが政治の健全化に必要なことではないか。(Bさん)

2.市民は自己の利害を主張するのみでいいのか

・国家意識は国によって異なる。(Bさん)アメリカほど国内に多様性がない日本は、ビジョンでひっぱるというよりも利益誘導型の政治。(Dさん)

そのような利益誘導型の政治に問題はないのか?
  ↓
・利益団体はあくまでも利益団体であって、国民全体のことを考えないのは当然
のこと。(Bさん)
・例えば非正規雇用の団体というのはを組織しても権限がなく(Dさん、Eさん)、また、個人によ
って事情が異なるのだからそもそも組織することにも困難が伴うし、圧力をかけることができないのだから意味がないのではないか(Eさん)
・しかしそのような問題があっても組織化することによって問題が政治化するという面では社会的意味はある。実際にマスコミなどにとりあげられている(Cさん)

3.政治には具体性・わかりやすさが必要

・スローガンを繰り返し唱えるだけでは不十分。政党は具体的にどういう層に焦点を絞ってどういう対策を打っていくかを明確にすべき。(Dさん)ビジョンを提示してほしい。(Dさん、Eさん)
・マニフェストを出しても、それを全て受け止めるのは無理。政治家が、争点が何か、単純化・明確化してくれた方が国民にとって分かりやすくて良いのではないか。(Eさん)
・深い知識のない一般の人にとっては、政治の問題は複雑で考えるのが面倒に感じてしまう。政治家がもっと国民に対して政策について説明し語りかけていくことが必要。(Aさん)

2009年1月31日土曜日

【学生ディスカッション②】宇都宮大学

※企画詳細については以前の投稿『【新企画!】学生ディスカッション』をご覧ください。

「学生ディスカッション」第二弾は、宇都宮大学からお届けします。
卒業・就職を間近に控える女子大生3名が、日本の政治の現状に対するもどかしさを語りました。
以下は議論の要旨です。

***************
1.日本の政治は機能不全である。


・リーダーシップを発揮できる政治家がいない。
発揮しようとするとツブされる構造が政治の世界に出来上がっているため、状況が変わらな い。(Aさん、Bさん、Cさん)
・構造を打ち破れるだけの勇気(Aさん、Bさん)やカリスマ性(Cさん)を持
った政治家が現れなくては。
・国会論戦でも、首相の漢字間違いなどの枝葉末節に貴重な時間が使われており、
腹立たしい。(Cさん)

2.「わかりにくい」から市民は動けない

・投票するといっても、どういう基準でどの候補者を選べばいいかわからない。(Cさん)
・はっきりいって対岸の火事で、興味がわかないし、話をされてもよくわからな
い。(Bさん、Cさん)
・市民として、しっかり判断をくだせる教育を受けた記憶はない。(Aさん)

3.もっと素朴に考えたい

・増税が本当に必要なら反対しない。でも、納得のいく説明がほしい(Aさん、Bさん、Cさん)
・当事者の立場にたつべき。政治家が選挙に勝ちたいのは当然だし、サラリーマ
ンが賃下げがいやなのも当たり前である。ただ批判するだけでは、何も解決しな
いのではないか。

(了)

【学生ディスカッション①】東京大学駒場キャンパス

※企画詳細については以前の投稿『【新企画!】学生ディスカッション』をご覧ください。

「学生ディスカッション」第一弾の舞台は、東京大学駒場キャンパスです!
対照的な哲学を持つ1年生(Tさん)と4年生(0さん)が、がっぷり四つの議論を行いました。
以下は議論の要旨です。

****************:

1.民主主義における市民の役割。

Oさん:市民が自己利益を越えた「公共」の利益を考えるべき。また、これが民
主主義。
Tさん:自己利益の確保・拡大に、人は根本的にに方向づけられている。公共利
益の追求を民主主義の出発点に置く必要性は、民主主義の歴史的系譜をみても薄
い。

<市場で生まれた富をいかに分配するか>
Oさん:公平性・効率性の観点から、一定の国家の介入は必要。
Tさん:その種の介入は有効に機能しえないのみならず、社会の他の部分に歪を
生む。パイの拡大による全体の底上げの方が結局は公正。

2.自由競争の重視は間違っていたのか。

Oさん:
世界的な潮流だった規制緩和の行き過ぎを見直す時期。
1.資本主義の健全な発展 2.人間のための経済という大原則 という2者に、
過度の自由化がマイナスの影響を及ぼしたのではないか。
Tさん:
自由化とグローバル化の流れが途上国の発展に資した事は、歴史が証明している。
中国とアフリカの明暗を分けたのは、グローバリズムにどこまで自国市場を委ね
るかという判断だった。

3.日本における政治の機能不全をどう見るか。

Oさん:
今の日本の政治には、リーダーシップも党派間の協働も見いだせない。
また、政治家の発言に明らかな「国民はお客様」という姿勢は、
「われわれ」が各々の責任を果たして難局を切り抜けよう、というオバマ大統領
の呼びかけと好対照をなしている。
有権者が当事者意識を持つことが、政治の変革のために必要だ。

Tさん:
日本の政治は投票という「民主主義的」制度を介して、利益団体の面倒を見るこ
とと引き換えにその体制を維持してきた。
これを根本的に変えようとすると混乱を招くのみ。少なくとも、短期的には過度
の期待をすべきでない。

(了)

【新企画!】学生ディスカッション

こんにちは!

表題のとおり学生インターン企画、新シリーズの登場です。
舞台は事務所の外。全国津々浦々・・とはいきませんが、様々な大学のキャンパスで

学生によるディスカッション

を開催していきます。

1.何を・どうやって議論するの?

言論NPOの方で用意した資料・質問を端緒に、私たちが直面する問題を語ります。
コーディネーターを務めるのは学生インターン。現在の議論材料は、

  1. オバマ大統領の就任演説  (下で小澤さんが紹介しています!)
  2. 雇用問題に関する労使「共同宣言」

の2つです。

2.何で議論するの?

「知らなきゃ、語れない」
その一方で
「語らなきゃ、知るべきことがわからない」

とにかくこのジレンマから抜け出したい、という学生は、私自身を含め少なくない、と感じます。
言論NPOには、「知る」のためのリソースが豊富に蓄えられています。
「語ること」と「知ること」のサイクルを作る場を、この企画が作っていきます。

また、日本の政治に緊張感をもたらすのは、こうした「語る」人たちの存在ではないでしょうか。

*************

動き始めたばかりの企画です。単発のディスカッションで終わらせないために、

・インカレ合同議論会
・議論を受けての勉強・解説会

などの計画も進行中です。

まずは、
・東京大学駒場キャンパス
・宇都宮大学
で行われた議論をご紹介していきます。お楽しみに!

2009年1月28日水曜日

オバマは世界を幸せにできるか~就任演説を聞いてあなたはどう思いましたか~

こんばんは!言論NPOインターンの小澤です。

早速ですが、

「みなさまはオバマ氏の演説を聞いて、希望を感じましたか。」

以下の選択肢の中で、一番、自分の意見に近い選択肢を選んだうえで、何か一言(理由や感想等)を書いていただければと思います。

1、大変希望を感じた。
2、特に希望は感じない。
3、違和感を感じた。

(例)
「3」
責任の時代といわれてもどうもピンとこない。

ちなみに、オバマ氏の演説の要約はasahi.comにあります
http://www.asahi.com/international/update/0121/TKY200901200395.html
http://www.asahi.com/international/update/0121/TKY200901200395_01.html

ご意見、お待ちしております!

2009年1月15日木曜日

学生企画6

みなさんこんにちは!
学生インターンの長瀧です。
一月前半はテストとレポートで飛ぶように過ぎていってしまいました・・・

未だアップしていなかった学生企画を投稿します☆
今回は民主党のマニフェストについて。

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選挙が迫ると、各政党はマニフェストを出します。言論NPOの代表的なコンテンツのひとつとして、「マニフェスト評価」というものがありますが、このマニフェスト、見方によって本当にいろいろなことがわかるものです。
昨年の7月、民主党のネクスト大臣を何名かお呼びして、民主党の政策について問う、というフォーラムを開催することが決まり、その資料として民主党のマニフェストの時系列比較表を作成することになりました。選挙の時に各政党のマニフェストを見比べることはあっても、同じ政党のマニフェストを何年分も並べて縦に比較することはなかなかないことではないでしょうか。
私は「外交」に関する部分を担当しましたが、細かく見れば見るほど、党の政策として重視したいポイントやその方向性がどのように変化してきたのか、非常に顕著に現れていることに気がつきます。

例えば日米安保に関してのマニフェスト。
2004年の参議院選挙時のマニフェストを見てみると、2003年衆議院選挙時のマニフェストよりも内容が若干具体的になっています。
2003年に「在日米軍基地の整理・縮小を追求します。」と記述されていた部分が、2004年には「在沖縄海兵隊基地の国外への移転を目指します。普天間基地の返還については、代替施設なき返還をアメリカ側に求めます。」と直されています。
更に、2005年の衆議院選になると、日米関係に関する記述自体がそれまでの2倍の量になります。しかし、先ほどの在日米軍基地に関しては、「在沖縄海兵隊基地の県外への機能分散を模索し(中略)国外への移転を模索します。普天間基地については、早期返還をアメリカに求めます。」と、むしろ「代替施設なき」という部分についてはやや消極的な方向に修正されています。
これが2006年の参議院選挙になると、安保全体の内容が大きく変わります。これまでのような文言は一切無くなり、「国会の関与なくして、米軍のいいなりに資金を提供していくことのないよう、徹底的に問題点を追求します。」や、「アジア太平洋地域の安全保障における米軍の在り方や、在日米軍基地の位置づけについて検討します。」というような表現が多くを占めるようになります。

さて、このような変化をわれわれはどのように捉えればよいのでしょうか。
 私個人としては、2006年の民主党のマニフェストは自民党批判を中心として作成されていて、民主党としての政策理念や能動的な代替案が見られず、政権を任せるには不安な政党ではないか、と感じました。
もちろんこのような変化をどう捉え、どう投票に活かすかは有権者一人ひとりにかかっているものです。ぜひこのようなマニフェストの「たての変化」に注目してみてください!

2009年1月11日日曜日

工藤さんの訪中に同行して

こんにちは!

インターンのいけだです。寒いですね!
少々長いですが、訪中の感想文を投下させていただきます~~

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1月6日から9日にかけて、工藤さんに同行して北京に行ってきました。
今夏開催の「第5回 東京-北京フォーラム」の準備が、訪中の目的です。

勉強させられたこと、考えさせられたことは尽きませんが、全体を総括することはいつだって難しい・・
それは次回(?)の宿題にとっておくとして、今回はとりわけ印象の深い事柄をひとつ、書きたいと思います。

滞在中は日本側から中国側から、工藤さんが様々な人と話し合う場に居合わせました。
その中の一人が宮本雄二・駐中国大使でした。大使は当然のことながら多忙であり、時間は30分に限られていました。

お二人は話詰めでした。何よりもまず、大局観が一致していました。
日中の経済の減速を前に、第5回フォーラムのアジェンダを「経済危機への対処」と見る向きは少なくないようです。
しかし工藤さんにとって今回の危機は、米国中心の金融・経済システムが大きく揺さぶられたという意味で「ピンチだがチャンス」であり続けてきました。
そして宮本大使は開口一番、今回の危機をきっかけに、日本と手を組み東アジアに経済の核を作ろうという機運が中国で盛り上がりつつあると言いきりました。
お二人の視線は「ポスト経済危機」にピタリと定まっていました。

メモをとりながら、
―二人はなぜ、幼馴染でもないのにここまで気持ちが通じているのだろうか?と思いました。
「同志」の意味を、今なら漢字そのままに理解できる気がします。
30分という時間がこんなに濃密であっていいのか。
傍らで聞いている私にここまで濃く感じられる時間は、そのただ中にいる人たちにどのように経験されるのだろうか、とも感じます。

お二人が取り組んでいるのは外交です。宮本大使は公的な日中外交の最前線に立ち、工藤さんは一市民として、民間外交を仕掛けてきました。
私が生まれ育った日本の隣の巨大な国(その巨大さを、北京では物理的に感じます)、そこに住む人々との付き合いをどう良い方に変えていくか、
そしてそれを通じ、日中のに向こうにある国々・人々を含めた「世界」をどう良い方向に変えていくか、ということに二人は本気でした。
そのための手段を持っている、そして新たに創っていく力量に裏打ちされた「本気」です。

私は単純に、お二人に憧れました。
と同時に、何に魅かれるの?と尋ねられたら答えられても、何に本気なの?との問いに「今見つけようともがいています」と返してきた自分に、
もがいてなどいない、と言ってやりたくなりました。
青臭く響きますが、「今より少し先」を見て、今この瞬間に魅かれるものに賭けて来なかったということです。

それをしていこう、と素直に思いました。この日のことは忘れないと思います。