2008年12月19日金曜日

学生企画3

みなさんこんにちは!
学生インターンのながたきです!

安達くん、池田さんに続き、
今回は長瀧が学生企画をお送りします♪ 

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 今日は先日私が同行させていただいた、医療問題関連のインタビューで得た「そうだったのか!」を紹介したいと思います。

 昨今、日本は「医師不足」だと叫ばれていますが、それではなぜこのように医師がどんどん減ってしまったのでしょうか。高齢者が増えたから?仕事が大変な割に給料が安いから?医師不足の原因と言うと、私はなんとなくそのようものを思い浮かべますが、実はもう一つ、もっと根本的な医師不足の捉え方があるのをご存知でしょうか。

 まず、現在日本には約80の医学部があり、毎年約8000人の医師が誕生しています。
 これに対し、毎年定年退職する医師は4000人で、これまで医師は毎年4000人ずつ増えていた訳です。
 この医師の増加に伴って、麻酔専門、術後管理専門、安全管理専門など、今まで一人の医師が行っていたような仕事も、専門職に細かく分化してきました。
 
 この現象を「医療の高度化」といいます。
 
 しかし、4000人ずつ増えていた医師数が、近年マイナスに転じ始めました。
 その最も大きな原因は、昭和50年以降に設立された医大卒の医師の定年退職が始まったことです。はじめにも書きましたが、現在日本には80の医学部があります。そして、そのうちの40は昭和50年以降に新設されたものです。今までこの新設医大は4000人の医師を要請していましたが、数年前からここを卒業した医師の退職が始まったのです。
 すると毎年真水で増えていた4000人の医者はもはや同じように増え続けません。そのように、医師全体のパイは変わらないのに、「医療の高度化」によって診療科の種類は増え、従来からある内科、外科、産科などの人員は必然的に減ってしまいます。
 
 これも、医師不足のひとつの大きな側面なのです。


 この問題に対処するために政府がとっている政策は、10年間で医学部の定員を5割増やすというものです。これはもともと民主党から出た案だったとも言われていますが、舛添厚労相が採用し、実現に至ったそうです。
 この政策には、来年から毎年300億円投じることが決まっており、医学部の人件費などにあてられるそうです。つまり、医師不足に対する解決は一区切り。しばらくはこの政策がうまく機能するか観察することになりそうです。

 日本の医療をささえる上でもう一つ重要な問題が、「コメディカル」です。
 コメディカルとは、看護師や薬剤師など、医師の周りで働く人のことを指します。こちらも医師同様、深刻な人手不足です。しかし医師不足とは性質が異なり、数としては十分であるはずなのに、給料の面で製薬会社などに勝てず、病院で雇えていないという問題があります。
 この「コメディカル不足」に対するしっかりとした政策はまだ提示されておらず、医師不足に解決の糸口が見えた今、次に争点になっていく問題であると言えます。

 
 「医療崩壊」という問題も、ひとくくりにはできない、いくつもの細々とした要素からなるものなんですね。その中で、解決が提示されているものに関しては、それが機能しているのかを評価し、まだ着手されていないものに関しては、その解決の重要性を自分自身が考え、「本当に後回しにしていいものだろうか?」と問うてみるといいのではないでしょうか。限られた予算、限られた時間の中で、政策自体に優先順位がついてしまうのは仕方のないことですから。政治に向き合うとはそういうことだと私は思います。

 あくまで、一度のインタビュー、一人の先生のご意見を伺っったに過ぎないので、この見方だけが正しい、とは言い切れませんが、今回の問題に関して言えば、少なくとも解決の糸口はつかんでいるわけです。解決に向けて進み始めたことは評価できることではないでしょうか。これまでこの分野に関して全く知識のない私でしたが、「医療崩壊」に対して与党自民党はどんな選択をしていくのか、個人的に楽しみになってきました!

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次回のブログ(学生企画バージョン)も、近日中にお送りしたいと思います!
それではお楽しみに☆