2009年2月6日金曜日

【学生ディスカッション③】東京大学駒場キャンパス(2回目)

※企画詳細については以前の投稿『【新企画!】学生ディスカッション』をご覧ください。

「学生ディスカッション」第三弾は、再び東京大学駒場キャンパスからお届けします。
法学部進学予定の2年生5人(Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん)が日本の政治がどうあるべきかについて議論しました。
以下は議論の要旨です。

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1.市民と政治の関係

・今の日本では、政治と国民がまるで対立するもののような感じがある。(Aさん)しかし、立憲主義というのは、国民が自律するために憲法をつくったということであるのだから、政府と国民は対立するものではない。(Bさん)
・有権者は変わるべきだと思うが実際そこまで求めてしまって大丈夫なのだろうか。(Cさん)
法律や政治は専門家に任せられているのが現状で、また個人のインセンティブは異なるのに皆が政治に興味を持てというのは押し付けのような要素があるのでは。(Dさん)
・こういった議論を重ねていくことが政治の健全化に必要なことではないか。(Bさん)

2.市民は自己の利害を主張するのみでいいのか

・国家意識は国によって異なる。(Bさん)アメリカほど国内に多様性がない日本は、ビジョンでひっぱるというよりも利益誘導型の政治。(Dさん)

そのような利益誘導型の政治に問題はないのか?
  ↓
・利益団体はあくまでも利益団体であって、国民全体のことを考えないのは当然
のこと。(Bさん)
・例えば非正規雇用の団体というのはを組織しても権限がなく(Dさん、Eさん)、また、個人によ
って事情が異なるのだからそもそも組織することにも困難が伴うし、圧力をかけることができないのだから意味がないのではないか(Eさん)
・しかしそのような問題があっても組織化することによって問題が政治化するという面では社会的意味はある。実際にマスコミなどにとりあげられている(Cさん)

3.政治には具体性・わかりやすさが必要

・スローガンを繰り返し唱えるだけでは不十分。政党は具体的にどういう層に焦点を絞ってどういう対策を打っていくかを明確にすべき。(Dさん)ビジョンを提示してほしい。(Dさん、Eさん)
・マニフェストを出しても、それを全て受け止めるのは無理。政治家が、争点が何か、単純化・明確化してくれた方が国民にとって分かりやすくて良いのではないか。(Eさん)
・深い知識のない一般の人にとっては、政治の問題は複雑で考えるのが面倒に感じてしまう。政治家がもっと国民に対して政策について説明し語りかけていくことが必要。(Aさん)