2009年2月14日土曜日

学生企画7

こんにちは!インターンのいけだです。テストが終わりました・・。別の意味で終わっていないことを祈るばかりです。
ものすごーーく間が空いてしまいましたが、長瀧さん(http://genronnpo.blogspot.com/2009/01/6.html)の後を受ける形で、【学生企画】第7弾を投稿します!

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麻生首相の「郵政民営化に賛成じゃなかった」発言から始まった混乱が、深刻さを増しています。
発言の不用意さやその裏のオモワクはこの際置いておくとしても、麻生首相の議論をどう捉えたらいいの?という点を自分の中でも整理したく、今回のテーマに選びました。
お暇でしたらご覧ください。

1.麻生首相は何を言ったのか?

2009.2.5 (衆院予算委員会)
「小泉(純一郎)首相のもとで私は郵政民営化に賛成じゃなかった。私が反対と分かってたので、(総務相の担当職務から)郵政民営化担当は外された」
「四つに分断した形が本当に効率がいいのか。もう一回見直すべき時に来ているのではないか」

2009.2.5 (記者団に対し)
「(見直し)内容に私がこうしろああしろと言う立場にない」

2009.2.9(衆院予算委員会)
「(民営化反対だったのは03年の総務大臣就任時。その後の在任中の)2年かけて勉強し、最終的に賛成した」
「05年に議論をし尽くした結果に従って推進する。私は国営に戻すなんて1回も言ってない」
「05年衆院選で民意を問うたのは郵政の民営化であって、4分社化は問うていない」

2009.2.10 (記者団に対し)
「法律的には(4分社化は)入っている。だけど、多くの国民の中で4分社化、3分社化、2分社化というのを知っていた方はほとんどいないと思う」

2.つまり・・

5日の国会答弁で、(1)郵政民営化 に05年の郵政選挙時から反対だったともとれる発言を行い、民営化構想の根幹である(2)日本郵政グループの4分社化 の見直しの可能性にも言及。「選挙当時の閣僚が反対だった!?」との批判に対して(1)については発言を修正。(2)については早急な「見直し」は否定するも、選挙で民意を問うた点とは認めず距離を置く。

ということでしょうか。こうなると、(2)が気になってきます。

3.ところで、4分社化って何なのか。


郵政公社の4機能(窓口サービス・郵便・郵便貯金・簡易保険)を、株式会社として独立させること。

4.本当に選挙では問わなかったの?


2005年の自民党・選挙公約が筆頭に挙げるのは、「 参議院において否決された民営化関連6法案を次期国会で成立させる。」 こと。
この法案に4分社化が含まれていることは、麻生首相も認める通りです。

だがそれは形式の話、実質的に国民は4分社化など詳しく知らず、「民営化」に賛成票を投じた。だから4分社化に疑問を呈することは、05年の選挙で自民党を大勝させた国民への背信行為には当たらない、というのが麻生首相の論法のようです。

あんまりじゃないでしょうか。

2004年9月の閣議決定「郵政民営化の基本方針」(http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2004/0910yusei.html)を見れば、「郵政民営化」構想の肝が、4分社化にあることは明らかです。
民営化による国民の利益を実現するにあたり重要なのが「4機能が、民営化を通じてそれぞれの市場に吸収統合され、市場原理の下で自立すること」。そのために組織形態を根本的に改変し、「4機能をそれぞれ株式会社として独立させ」るという所までが、民営化の骨子とされているのですから・・
選挙後も、この「肝」は基本的に保たれてきました。言論NPOの「マニフェスト評価」では、選挙後に可決された修正法案を「4事業分離案は、少なくともスタート時に維持された」との理由で高く評価しています。

確かに、05年選挙時にこの構想を理解していた国民は少ないでしょう。その責任は政治側だけに押し付けられるものでもない、とも思います。
しかし、それが「4分社化に対して党として責任を持たなくてよい」理由になるのですか?民営化構想の根幹部を、よく国民に理解してもらえなかった不手際・あるいは不誠実に対する反省にはなりえても・・ましてや、麻生首相は「基本方針」決定時および選挙時の閣僚です。

小泉元首相が動き出し、郵政政局第2ラウンドか、という今の状況を決してよいとは思いません。ただ、この発言は、「口が滑った」「言葉尻を捉えて叩かなくても・・」でお茶を濁せる話ではないと感じています。