2011年6月6日月曜日

日本の学生は本当に内向きになってしまったの?

こんにちは。インターンの市川です。最近気温の変化が激しく嫌な季節ですね(-ェ-)
前回の投稿まで時間があいてしまいましたので、連続の投稿です。


少し前の話になります。ある人が、米国の大学で、

「最近、学部でも大学院でも日本人留学生を殆ど見かけない。中国や韓国、シンガポールといったほかのアジアの学生はたくさんいるのに、これはどうしたことか」と言われたという話を聞いたことがあります。その人は、

「米国に行く学生が少なくなっただけで、アジア方面へ留学する日本人はたくさんいる」と反論したそうですが、ここ数年、日本人学生の内向き志向ということがほぼ断定的に言われているということは、周知の事実だと思います。

確かに、年間に海外へ留学する日本人はピーク時の8万3000人から1万6000人以上減ってしまったとか、半数以上の就活生が海外勤務をしたくないと答えたとかいうことが各種メディアでも言われています。しかし、単純な数をもって直ちに内向き志向というのは早計に過ぎるのではないかと感じます。

というのも、日本という国が低成長・借金増大・人口減少から抜け出せず、数々の不安要因が次々と生まれてくる中で、これからは何をするにしても海外への展開が不可欠だという認識はむしろ高まっているのではないかと思うからです。留学生の数は減っても(そもそも少子化で絶対的な学生数が減っているのでは?)、現地でどういう目的を持って、何をして、何を持ち帰るかという意識は母国が困難な状況にあるほど高くなるでしょうし、ある意味留学というものの質は上がってくるのではないかと思います(というかそう思いたい)。

ところで昨日、昨年度一緒に韓国へ研修に行ったメンバーで久しぶりに集まることができました。

中には現在留学中で一時帰国された方もいれば、これから留学を考えている方、海外経験の豊富な方も多く、ここでは書けないような会話(?)から将来の進路まで長々と話しましたが、私がこの方たちを立派だと思うのは、敢えて自分に困難を課して日本の外へと活動を広げていこうという向上心が余りにも高いからです。
海外志向が強い一方で、日本人としてこの国が今後どうなっていくのか真剣に考えている人が多いことも驚きました。海外で日本の政治状況が馬鹿にされているのを身をもって感じ、取り残されるという危機感をもっていると話す方もいました。

私は、日本の学生が内向きになったというのは必ずしも一般的にいえることではないと思います。「これではいけない」と自ら考え、国際社会における日本人としてこの国の将来と本気で向き合おうという人もたくさんいる。そこにあるエネルギーは必ず有為にはたらくと思います。

しかし、日本人を内向きにする要素が余りにも多いというのも事実です。誤解を恐れずに言えば、何もないところから秩序を作り出すのはそこまで難しいことではないと思います。それよりも、現在のように既存のしくみが制度疲労を起こし、蓄積物が混沌として存在する方が、秩序形成には却って妨げになるのではないでしょうか。そういう状況では困難山積だとあきらめたり冷笑的になるのではなく、むしろどんどん外向きになって困難山積だからこそ課題を解決するチャンスに恵まれているんだと言うくらいの開き直りがないと、やっていけないのかもしれません。